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北海道新聞 2004年6月3日付朝刊1面、3面

道新幹線

自民、来年度着工を決定

北陸、九州2線も


自民党整備新幹線建設促進特別委員会(小里貞利委員長)は二日、北海道新幹線の新青森-新函館(渡島管内大野町)など
未着工区間を二〇〇五年度始めに同時着工する同党案を正式決定した。道新幹線の同年度着工はほぼ確実となった。
新函館-札幌など今回の案に含めない区間は、一〇年代半ばまでに予想される東北・新青森、北陸・金沢車両基地、
九州鹿児島ルート・博多への延長完了後に、建設を検討することが初めて打ち出された。

札幌延伸

新青森完了後に検討

公明党を加えた与党整備新幹線建設促進プロジェクトチーム(座長・久間章生自民党幹事長代理)は近く、
この案を追認する形で与党案を取りまとめる。両案はいずれも財源確保や開業年度は棚上げ。
ただ、国土交通省は与党案の決定に基づき、八月の概算要求に新青森-新函館などの新規着工予算を盛り込む方針だ。
財源や開業年次を含めた政府・与党の合意は、年末の政府予算案編成時に持ち越される。

与党は新規着工財源として、将来見込まれる一兆円規模の建設費の一部前倒しを軸に、財務省と事前折衝している。
道新幹線などの新規着工区間の完成は「着工から十年以内」(小里委員長)を目指しているが、結論は今後の財源論議次第となる。

一方、今回の自民党案では、建設中の東北・八戸-新青森は早期完成を図るとした。
北陸新幹線は富山-石動、金沢-金沢車両基地の両区間を着工するほか、福井駅と周辺は新幹線仕様で整備する。
計画が白紙だった福井駅の先の南越(福井県武生市)-敦賀は工事実施計画の認可申請を行なうことにした。
九州は長崎ルート・武雄温泉(佐賀県)-諫早(長崎県)を着工し、長崎駅周辺の調査も開始。
鹿児島ルートの既着工区間の博多-新八代は早期完成を図る。


整備新幹線 自民党案

自民党整備新幹線建設促進特別委員会(小里貞利委員長)が二日合意した北海道新幹線の新青森-新函館(渡島管内大野町)など
三線の二〇〇五年度同時着工方針は、政権党の正式決定として着工への政治的な推進力となることは間違いない。
だが、焦点の財源案と開業年度は示せないまま。
三線同時着工方針で収まった裏には、計画が先行していた北陸に配慮し、福井駅と周辺の「飛び石」整備と言った”荒技”も登場し、
夏以降の政府・与党協議は難航しそうだ。(東京経済部 矢羽々洋之)

まず着工 財源は後回し

また飛び石 福井に配慮

自民党本部で行なわれた同特別委。
北陸の自民党勢を束ねる森喜朗前首相の「北陸に我慢させてきたことを考えてほしい」との発言を受け、
小里委員長は「その事情も踏まえた自民党案を諮りたい」と原案を披露した。

事情はこうだ。北陸の計画ルートは東から富山、石川県の金沢、そして福井県に入り福井、南越、敦賀の順。
福井県は過去に、敦賀までの着工を自民党の説得で南越までに短縮した経緯がある。
さらに今回は福井県内への延伸断念に同意を求められた。同県は「既に十分譲歩している」と猛反発した。
そこで自民党案に追加されたのが、飛び石となる福井駅と周辺の先行整備。
「金沢-福井を全面着工する予算はないが、福井延伸は将来実現させる」との担保だ。
土壇場では「南越-敦賀の工事実施計画の認可申請」も盛り込まれ、森前首相が力を誇示する格好のシナリオとなった。
福井駅周辺にしかれるレールは一・三キロだけ。
飛び石の建設は三月に開業した九州・新八代-鹿児島中央、完成間近なのに当分は新幹線が走れない北陸・石動-金沢に続くものだ。
これが、北海道を含む新幹線建設への批判を強める可能性も否定できない。

投資効果に財務省「?」

だが、新青森-新函館の建設費は約五千億円で、福井県が求める北陸の南越までの延伸は同一兆円超と見込まれ、
与党が九州・長崎ルートも含めた新規着工財源を総枠一兆円規模に限っている以上、両立しない。
北海道より着工の申請が早かった福井県が納得する妥協案がなければ、自民党案は成立しなかった。
「三線を公平に」との方針を掲げる小里委員長は、飛び石着工案を「苦渋の選択」と述べ、
財務省が同意するかと記者団に問われ、こう叫んだ。「押し切るんだよ、そうでなければ事は進まん」
七月の参院選対策、そして八月の概算要求に向け、自民党案で道新幹線の〇五年度着工が示された裏には、こんな事情があった。

しかし、近く決まる与党案も「中間取りまとめ」にすぎない。
財務省との事前折衝を「一進一退」(小里委員長)で、財源確保の具体的なメドがつかなかったからだ。
各区間の開業年度を決定づける財源問題は、夏以降の与党と同省の本格協議に委ねられる。
新規着工三線の総工費と既着工区間の残事業費は、計約二兆八千億円。
今の年二千億円規模の建設予算では〇五年度以降、全額消化まで十四年かかる。
小里委員長らが与党方針とした「新規着工区間の十年以内の開業」が現実となるには、年間予算の大幅な増額が必要だ。

新幹線仕様で建設された青函トンネルが「昭和の三大バカ査定の一つ」と呼ばれたことが語り草にされ、
「北海道新幹線など乗る人がいるのか」との声すら漏れる財務省。
同省主計局幹部は「与党は新規着工の各区間について国民が納得する投資効果を示すべきだ」と注文する。
それは、誘致する道庁やJR北海道を筆頭とした道内経済界にとっての重い宿題でもある。

悲願が現実になりそう/予算確定まで気抜かぬ

道内関係者
歓迎と期待

二日の自民党整備新幹線建設促進特別委員会で、北海道新幹線・新青森-新函館間の来年度着工が明示された事に、
新幹線誘致に取り組んできた道内関係者からも歓迎の声があがっている。
高橋はるみ道知事は同日発表したコメントの中で「新幹線規格の青函トンネルが完成してから十六年。悲願が現実のものになりつつある」
とした上で「年末の予算編成で着工が盛り込まれるよう、なお気を引き締めて全力で取り組む」との決意を示した。
経済界では道経連の泉誠二会長が「東北、首都圏との間の経済活動のレベルアップにつながる」と期待感を表明。
運営会社となるJR北海道の坂本真一会長も「与党や政府の検討を経て、早期に正式決定することを強く期待したい」との談話を発表した。
当面の終着地となる函館では、井上博司・函館市長が「引き続き地域の力を結集して、悲願達成のために努力していきたい」とし、
高野洋蔵・函館商工会議所会頭(北海道新幹線建設促進道南地方期成会会長)も「年末の予算確定が悲願。官民一体の取り組みを進める」と
来年度予算の確定まで誘致活動に全力を挙げる考えを強調した。



http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20040602&j=0023&k=200406020815
道新幹線、来年度着工を自民決定 北陸、九州2線も  2004/06/02 16:30
自民党整備新幹線建設促進特別委員会(小里貞利委員長)は二日、北海道新幹線の新青森−新函館(渡島管内大野町)など
未着工三線を二○○五年度初めに同時着工する同党案を正式決定した。道新幹線の同年度着工はほぼ確実となった。
新函館−札幌など今回の案に含まない区間は、一○年代半ばまでに予想される東北・新青森、北陸・金沢車両基地、
九州・新八代(やつしろ)(熊本県)までの完成後、建設を検討することが初めて打ち出された。

公明党を加えた与党整備新幹線建設促進プロジェクトチーム(座長・久間章生自民党幹事長代理)は近く、この案を追認する形で与党案を取りまとめる。
両案はいずれも、財源確保や開業年度を棚上げ。

ただ、国土交通省は与党案の決定に基づき、八月の概算要求に新規着工予算を盛り込む方向だ。
財源や開業年次を含めた政府・与党の合意は、年末の予算編成時に持ち越される。

自民党案では、建設中の東北・八戸−新青森は早期完成を図るとした。
北陸新幹線は富山−石動(いするぎ)、金沢−金沢車両基地の両区間を着工するほか、福井駅と周辺は新幹線仕様で整備する。
計画が白紙状態だった福井駅の先の南越(なんえつ)(福井県武生(たけふ)市)−敦賀は工事実施計画の認可申請を行うこととした。

九州は長崎ルート・武雄(たけお)温泉(佐賀県)−諌早(いさはや)(長崎県)を着工し、長崎駅周辺の調査も開始。
鹿児島ルートの既着工区間の博多−新八代は早期完成を図る。

与党は新規着工財源として、将来見込まれる一兆円規模の建設費の一部前倒しを軸に、財務省と事前折衝している。
新青森−新函館などの新規着工区間の完成は「着工から十年以内」(小里委員長)を目指しているが、結論は今後の財源論議次第となる。

http://www.asahi.com/politics/update/0602/008.html
整備新幹線3路線、自民特別委が新規着工区間を決定

自民党は2日、整備新幹線建設促進特別委員会(小里貞利委員長)を開き、整備新幹線の北海道、北陸、九州(長崎ルート)の3路線で、新規着工区間を決めた。
北海道は新青森―新函館、北陸は富山―金沢(松任車両基地を含む)、九州は武雄温泉(佐賀県)―諌早(長崎県)の3区間で、05年度の着工をめざす。
近く公明党と協議して与党案にまとめ、05年度予算に盛り込むよう、政府に申し入れる方針だ。

この3区間の建設には、北海道5000億円、北陸3900億円、九州2700億円の計1兆1600億円がかかる見込み。
自民党は、現在建設中の区間の整備が終わる13年度以降の5年間に見込まれる建設財源約1兆円を先取りし、
これを担保にして民間などから借り入れ、05年度からの新規着工費用にあてる考えだ。

北陸は、富山以西をフル規格にする方針も決めた。福井県内への延長は盛り込まなかったが、
新幹線建設費で福井駅の高架化事業を実施するとし、将来への含みを持たせた。
また、今回着工しない北海道の新函館―札幌、北陸の金沢―南越(福井県)、九州の諌早―長崎の3区間は、
現在建設中の区間が完成する約8〜10年後をめどに見直すとし、7月の参院選を前に地元の不満に配慮を示した。

整備新幹線は、政府・与党が00年12月に未着工区間について、東北(盛岡―八戸)と九州(新八代―鹿児島中央)の完成後に、
次の着工区間を決めることを申し合わせた。
これを受けて、昨年12月、政府・与党は05年度の予算編成過程で具体的な新規着工区間を検討することで合意していた。 (06/02 19:46)

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20040603k0000m010083000c.html
2004年06月03日

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記事全文

整備新幹線:
自民党が05年度に3ルート同時着工を合意
整備新幹線計画の見直しを検討していた自民党の整備新幹線建設促進特別委員会(小里貞利委員長)は2日、未着工の新青森−新函館(北海道新幹線)、
富山−金沢車両基地(北陸同)、武雄温泉−諌早(九州同長崎ルート)の3区間を05年度に同時着工することで正式に合意した。
月内に与党整備新幹線建設促進プロジェクトチーム(久間章生座長)の会合を開き、公明党の同意を得て正式決定する。

すでに北陸新幹線の新規区間のうち、石動−金沢間はスーパー特急方式で建設中だったが、新幹線方式に変更する。
一方、長崎ルートはスーパー特急方式で建設を進める方針だ。

開業予定時期は今後詰めるが、これまでの議論では、おおむね12年後を想定している。
新規区間の事業費は総額約1兆1600億円となる見通しだが、財源については具体策を示せなかった。
このため既着工区間の今後の建設費の一部を3区間に回すことになる見通し。

また北陸新幹線の金沢車両基地から先の区間については(1)福井駅を05年から新幹線予算で整備し、1.3キロ程度の線路を建設する
(2)南越−敦賀間については新たに建設の認可申請を出す−−ことを決めた。

3区間の着工については財務省が財源確保が難しいことから慎重な姿勢を示していたが、参院選の前に決着させることにした。【吉田慎一】

毎日新聞 2004年6月2日 20時40分



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