トップ FAQ 北海道新幹線概要 並行在来線 北海道新幹線予想 建設費・財源 新幹線VS飛行機 リンク
11スレ>>599氏の新幹線上を貨物列車を走らせる案です
599 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 05:43 ID:ict9Xb2z 並行在来線について、鉄道として存続が不可能で、それでも貨物列車は存続していくという選択をした場合 (あくまで在来線廃止・貨物存続、という前提での想定ですので、在来線廃止はありえない、とか、貨物廃止、とか言う話は別で) 考えられるのは 1.3線軌化による在来貨物の新幹線乗り入れ 2.フリーゲージ貨車により新幹線乗り入れ 3.標準軌貨車による新幹線専用貨物列車の運転 の3つだと思われます。それぞれ散発的に意見は出されていましたがちょっとまとめ、比較をしてみたいと思います。 条件を設定しないと比較できないので次のとおりとしてみます。 ・3線軌、フリゲの場合の最高速度は160キロ程度 ・新幹線貨物の最高速度は240キロ程度 ・旅客新幹線は毎時2本最高速度360キロ ・貨物列車の本数は現状と同じく26往復(すべて20両編成) 600 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 05:44 ID:ict9Xb2z 1.3線軌方式 在来線のコンテナ車をそのまま乗り入れさせればいいので、一番簡単で安上がりに思われがちです。 ところが160キロ運転するためにはコンテナ車を最低でも改造、おそらくは新造が必要と思われます。 1日26往復の貨物をまかなうために必要なコンテナ車は単純に見ても1000両以上。 しかも北海道専用車としてかなり限定された運用であり、それでもある程度は余裕を持たせなければいけません。 北海道内での速度向上による運用車両数の削減分がありますが、それでも1000両程度は必要になるかと思います。 改造費1両1000万円としても100億円、新造した場合は安く見積もって1両2500万円としても250億円にもなります。 新幹線と共用することから、すれ違い時の風圧などを考慮すると締結装置も現状のものを改良する必要があると思われます。 また、160キロ運転では旅客新幹線の邪魔にならずに走らせるのに多くの待避線が必要になります。 貨物列車の発車30分後に新幹線を通すダイヤを組んだとしても24分で追いつかれてしまうので、 ダイヤ組成上の余裕をみておよそ80〜120キロごと、全線で3〜4箇所ほど待避線が必要となります。 そしてそれは、この方式の一番の難点となる複雑なポイントをたくさん設置する必要があるということを意味しています。 定位側を360キロで通過できる3線軌ポイントの開発も必要ですし、その保守(特に冬季)にもコストがかかると思われます。 ただ、3線軌を長万部までとし、そこから従来どおり室蘭線に流してしまうなら退避設備は減らせます。(電化が必要ですが) 所要時間はノンストップで走行して2時間40分程度、退避込みで3時間15分程度、といったところでしょうか。 601 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 05:45 ID:ict9Xb2z 2.フリゲ方式 在来線との直通が可能であり、新幹線側も標準軌のみ敷設で済むので、 フリゲ技術が実用段階になれば一番有力かも知れません。 ただし、3線軌方式と同様1000両ほどコンテナ車の新造が必要で、 しかもフリゲ台車なので新造価格は高くなると思われます。 仮に1両4000万円として400億円です。 コンテナがむき出しなのは変わらないので、やはり締結装置の改良は必要になると思われます。 ダイヤ上の問題は3線軌方式と変わらず、待避線を3〜4箇所ほど設置しなければなりませんが、 ポイントは通常の新幹線用のものでいいので、設置費用、保守費用とも3線軌方式よりは低減されます。 所要時間は3線軌と同様3時間15分ほどですが、軌間を変更する作業 (と言ってもガイドレールを低速で走行するだけですが) に15分程度かかると思われるのでトータルで3時間30分くらいかと思われます。 602 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 05:46 ID:ict9Xb2z 3.新幹線貨物方式 まったく新規の方式のため、どのようなものを想定するかで異なってきてしまうのですが、 とりあえず下記のようなものと仮定します。 ・機関車は走行抵抗を考え、流線型スタイルで、両端に連結するプッシュプル式。 ・コンテナ車は自動開閉のカバーをつけ、走行抵抗改善およびコンテナの保護。 ・速度向上のためコンテナ車10両編成とする。つまり本州からの貨物は2本に分割される。 ・両端に機関車を連結した計12両で、連結器の強度を考慮して固定編成 ・最高速度は240キロ。 まず当然ながら貨車の新造が必要になります。 一日の運用数としてはやはり1000両分ほど必要ですが、北海道新幹線内のみの運用ですので、 片道2時間折り返しに必要な時間を3時間半とすると、1日に2往復は運用ができるので必要両数は250両ほど、 余裕を見て300両程度です。 240キロ走行可能でさらに自動開閉カバーつきなので、新造価格は高くなると思いますが、仮に1億円としても300億円、 7000万でできれば210億円。 フリゲ方式より安く、場合によっては3線軌方式と変わらないかもしれません。 603 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 05:47 ID:ict9Xb2z 機関車に関しては開発が難しいように思われますが、 在来線より編成を半分にしているのでコンテナ車はカバー取り付けで重量が増加したとしても700t程度。 これは700系新幹線16連とほぼ同じですが動力分散と集中の差もあるので技術的にどうなるかはわかりません。 ちなみに動力集中、前後に機関車を連結して12両のTGVアトランティックは編成重量480tで300キロ運転です。 3線軌方式、フリゲ式でも1200tを160キロで引っ張れる機関車を開発しなければならないので、 開発費・製造費は同じくらいになるのかもしれません。 ただ、新幹線貨物は想定では固定編成としたため、機関車としての運用効率は低下します。 フリゲ・3線軌用の機関車なら片道3時間半、1時間で折り返すとしても1日2.5往復可能ですので 15両(重連だと30両)程度で運用できそうです。 一方新幹線貨物ではコンテナ車を300両とすると編成を在来線の半分の10両と想定したのもあり、 60両用意しなければならないのでかなりコストがかかると思います。 (もちろん普通に切り離せるタイプなら3.5往復いけるので、 18セット(36両)程度でまかなえますが流線型のため連結方向が限定されるので面倒臭そうです) 604 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 05:47 ID:ict9Xb2z 所要時間はノンストップで1時間40分程度でしょうか。 基本的には2本続行(つまり在来線1列車分)運転として、後発の貨物発車20分後に旅客新幹線が走行すると想定すると 200〜220キロごとに退避線があればよいので、新八雲〜長万部間あたりに1箇所あればよいことになります。 退避線は2列車が入れるように1キロ程度の有効長をとります。 加減速時のロスを本線に影響させないために分岐側120キロ程度で進入できるポイントを用いて、 有効長を3〜4キロ程度にするとダイヤ構成が楽になると思います。 26往復の貨物を分割するので52往復走行することになりますが、続行運転を行うこと、 退避時間を含めても2時間以内で走破できることなどから、旅客新幹線の妨げになることはほとんどないと思われます。 新幹線貨物方式で一番ネックになるのが在来線との積換です。 どの程度時間を要するのかが一番のポイントですが、フォークリフトの台数などにより左右されるので一概には言えませんが 通常のコンテナ列車の積載にかかる時間が1時間程度のようですので、余裕をみて1時間半ほどでできそうです。 現在青森〜札幌が5時間程度要していますので、積換時間を考慮しても十分機能する所要時間となります。 605 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 06:01 ID:e3dqMY/J つづいて貨物の走行による軌道その他構造物への影響について。 と語りたいところですが、この辺の力学には詳しくないので、どなたか意見をいただけると助かるのですが、とりあえずデータです。 新幹線E2系(8両) 編成重量 366t 荷重(乗客一人60kgとして)×630人=37t 合計403t 新幹線E4系(8両) 編成重量 428t 荷重(乗客一人60kgとして)×817人=49t 合計477t 新幹線700系(現行16両) 編成重量 708t 荷重(乗客一人60kgとして)×1323人=79t 合計787t コンテナ(コキ100系列+EH500) (自重19t+積載重量41t)×20両=1200t 機関車運転重量134t 合計1334t 新幹線コンテナ (自重24t+積載重量41t)×10両=650t 機関車(150t×2両) 合計950t 新幹線コンテナに関しては自重5t増し、機関車も重めに想定しました(後述) 360km/hで走行する400tの新幹線 160km/hで走行する1300tの貨物列車 240km/hで走行する950tの貨物列車 高架橋などの構造物への影響が一番大きいのはどれなんでしょう? 実は需要が伸びて16連になった360キロ新幹線が一番だったりするのかも(w ちなみに軸重でいうと、E2が13.2t、EH500が16.8t、TGVで17〜19.5tです。 606 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 06:01 ID:e3dqMY/J レールについては3線軌方式では共用するレールともう1方のレールの疲労進行が異なってきます。 現在のミニ新幹線では130キロ運転ですし、貨物の本数もこの区間よりは少ないのでそれほどシビアではないと思うのですが、 さすがに360キロで走行する新幹線となると、その安全性や乗り心地の面で無視できない問題のような気がします。 単純に考えれば共用するレールのメンテ・交換は、他方のレールの半分のサイクルで行えばいいのかと思うのですが(w それにしてもあの複雑な3線軌ポイントの交換の手間・コストを考えると…。 607 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 06:03 ID:e3dqMY/J こうして比較してみると、どの方式も一長一短ですね。 かなり適当な試算ではありますが、今までイメージだけで語られてた貨物問題を 少し現実的にとらえるきっかけになれば、と思って書きました。 興味のない方には長々と失礼しましたm(_ _)m その後このようなレスが・・・ 611 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 08:04 ID:VF5H9Xz9 >>599-609 テンプレにする前に、他の条件ともいろいろ比較してみたいところ。 特に、新幹線貨物の場合。 A.固定編成なら、従来の機関車牽引方式でなく、動力分散式も可能では? この場合、1列車で運べるコンテナはどのくらいか? B.新幹線貨物の運転区間はどこからどこまでか? C.在来線・トラックとの積み換え基地の数及びコストがどの位必要か? などなど。 612 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 08:23 ID:VF5H9Xz9 A.については、今の在来線のコンテナ車(20m)の場合、 一般的な12フィートのコンテナなら5個、最近話題の31フィートのコンテナなら2個積める計算。 新幹線の車両は1両25mが標準だが、コンテナ車を25mにしても12フィートは1個しか増やせないし、31フィートは2個のまま。 1両30mでは困難と思われるので、今の20mサイズが最適となろう。 いっそ在来線サイズで統一して新造しておけば、フリーゲージ等への対応も含めて考えられるのかも。 で、駅等の線路有効長が400mなら、20両編成まで可能。 ただ、両端の車両には運転席が必要で、騒音防止のため流線型になるだろうから、ここにコンテナは積めない。 実質18両となれば、現在の機関車除いて20両の貨物列車に比べ、1割減の輸送力となる。 その分は増発対応か。 (機関車方式でも、果たしてコンテナ車を20両繋げられるか、という問題もあるが) 613 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 08:34 ID:VF5H9Xz9 B.についてだけど、北端は札幌貨物駅併設が理想だろう。 トラックとの積み換えがメインで、在来線列車との積み換えはむしろ少なくなるから、 ここでの時間ロスはゼロの場合が多いと言える。 で、南をどこまで持っていくか。田端まで入れれば最高だが、 大宮以南は現状では入る余地が無さそうなので、とりあえず首都圏では宇都宮あたりか。 更には大宮で向きを変えて、新潟や金沢方面に貨物列車を直通させることも考えられる。(碓氷峠クリアの問題もあるが) 614 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 08:48 ID:VF5H9Xz9 C.については、当然B.の設定により大きく変わってくる。 本州内は東北新幹線のみに限定した場合、北海道に2箇所(札幌・函館付近)、首都圏に1箇所(宇都宮?)、 東北に1箇所(仙台あたり)と、日本海縦貫線への載せ換え基地として青森県内に1箇所程度か。 (今の新中小国信号所活用でも良い。) いずれもフリーゲージ新幹線貨物になれば、基本的に現在ある施設を活用できることになる。 617 名前: 名無し野運転所 投稿日: 04/02/21 09:07 ID:dJ5pUFM8 >578 レスサンクス 602案良いですね。577なんか考えなくても(・∀・)イイ! しかし、貨物の場合編成を長くすると制動に時間をとられそうだし、 万が一停止位置に止まれなかった時を想像すると(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル ところでポイントの切替って列車が停車しないと出来ないのかな? 変な話、側線を1000bにして貨物が側線に進入したらすぐポイントを本線に切り替えて旅客をかわすとしたら、 駅停車時間が短縮できるのかと‥‥ あぁ消防な質問だ(鬱 618 名前: 名無し野電車区 [sage] 投稿日: 04/02/21 09:19 ID:vbYzA7a1 >>617 列車の最後尾の車軸が分岐器を含んでいる軌道回路から抜ければすぐに転換できる。 619 名前: 578 投稿日: 04/02/21 10:27 ID:2EbR82c2 >>617 ・未知の分野である事 ・廃止がより確実視される平行在来線の沿線住民に著しくマイナス。 ・全国を走る貨物列車との互換性が著しく落ちる(乗入れに難)。 ・新たな設備投資が膨大。投資効果に見合わない可能性が。 これが新幹線貨物を難しくする要因と言えるでしょうね。 新幹線が通る沿線って、平行在来線よりもっと人のいない所を通るんですよねえ。 だから新幹線にローカル輸送機能を担わせるのは不可能(と言うか需要がない)。 採算が厳しいのは確かなんですが、やはり何とか既存の平行在来線を活用するのが現実的では? ・1日26往復の貨物を荷主ニーズに応えてサービス強化 ・3〜4両編成程度のスーパー快速を1時間1本程度函館〜長万部〜東室蘭に走らせて、 大沼や森など新幹線の通らない所や隙間時間帯をカバー このふたつが、1日6本程度の普通列車(ローカル輸送)の大赤字を、どれだけカバー出来る事やら。。。 622 名前: 599 [sage] 投稿日: 04/02/21 11:53 ID:+ULjIEy5 いろいろとご意見ありがとうございます。 提案というわけでなく、これを下地にいろいろ議論が広がればいいなと思った次第で。 >ま管さま は…早い!こまめな対応にいつもながら頭が下がります。ありがとうございます。 >619 あ、最初の>599でも書きましたが、前提が「在来線存続が困難」であり、かつ「貨物は存続が必要」というものなので…。 おっしゃるとおり、在来線で充分にできるならわざわざ設備投資してまで移行する必要はないです。 現状だといわてあたりの貨物線路収入や保守費用がわかればこの区間の3セク化したときの収支の目安が立つんですけどね。 (旅客収入は期待できないのでw) 623 名前: 599 [sage] 投稿日: 04/02/21 11:57 ID:+ULjIEy5 あ、書くの忘れてたことがひとつ。 どの方式にするにしても新規開発しなければならないのが機関車です。 1200tを160キロで引っ張る機関車と、700tを240キロで転がす機関車とどちらが技術的に難しいのでしょうね。 もちろん、パワーを上げる=大きく重くすればクリアできるのでしょうが、軸重の制限もあります。 旅客新幹線では最大16tですので、これを守るとD級で64t、F級で96t、H級でも128tが限界になってしまいます。 (従輪をいれれば変わりますが)車体長が長くなる新幹線では中間台車を入れるF級は難しそうですし (25mにこだわる必要はないので短くすれば可ですが) 高速走行で安定させるためには軸距を長くする必要があるので3軸台車も厳しそうです。 とすると無難なのはやはりEH500のような連接式かも知れません。 新幹線の軸距が2.5mですので、12m車体に2軸台車を二つつけ2両連接のH級128tが最大ですかね。 ただ、これだと240キロ走行する新幹線貨物の場合は先頭側を流線型にするので 機器搭載スペースが削られてしまってまた難しい問題を抱えてきますが。 ちなみにTGV並みに軸重を19tまで許容すれば最大152t (新幹線貨物の機関車の重量150tという想定はここからきました) 思い切って3両連接のL級にすれば228tまでいけるのかな?(w |